ヤッホーはどうなっちゃう?(資本的視点で)

こんにちは。

大きなニュースが出てきたので、かなり久しぶりですがコラム書きました。

「キリンがヤッホー社に33.4%出資、クラフトビール事業を推進」

「キリンビール(東京都中野区)は24日、星野リゾートの100%子会社であるヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)と資本業務提携すると発表した。キリンは提携によって、本格的にスタートしたクラフトビール事業を一層推進する。」

出典:http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HJ04Z20140924

WBSの動画はこちら

出典:http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_75458

このニュースの背景について、1分でわかるようにまとめ風に書くと...

長野県軽井沢

ヤッホーさん「ラインナップ増やしてけっこう売れているけど生産のキャパが限界近いな。ローソンの案件とかあるし、工場デカくしないとヤバいな。そうだ、親父に頼みにいこう。」

星野リゾートさん「訪日観光客増えてるし、東京オリンピックもあるし、富士とか大手町以外にもどこかにもっと仕込みたいな。ちょっと資金貯めておくか。」

ヤッホーさん「よう親父。工場キャパいっぱいいっぱいだから大きくするよ。ちょっと資金よろしく。」

星野リゾートさん「何いってんだよ。こっちのほうがもっと資金必要なんだよ。お前んところに回すのはないよ。」

ヤッホーさん「えっ。ヤバいよ、親父。ローソンとの案件とかあるから、もっと作れないと品不足になっちまうよ。」

星野リゾートさん「・・・(ここは事業順調なのはいいけど、これからも金かかりそうだな。REIT作ってやっと身軽になったのに・・・しかもウチの本業と全然関連ないし...なんとかしないとな。待てよ、そうだ。)」

星野リゾートさん「おい。資金出してくれる先、見つけて来いよ。クラフトビール人気みたいだし、ビール会社とかいいんじゃないか。」

ヤッホーさん「いいんですか。でも出してくれますかね?」

星野「資金出してくれるなら、ウチで持ってるお前んとこの株式も1/3くらいだったら渡してもいいしさ。」

ヤッホーさん「マジっすか。じゃあ行ってきます。」

東京中野

キリンビールさん「どうしよう、またシェア下がっちまったよ。なんとかしないと...クラフトビールやるって発表したけど、作り方や商習慣違うし、さてどうしようか。」

ヤッホーさん「こんにちは。よなよな作ってるヤッホーです。一緒にやりませんか?資金出してくれるなら株式1/3まで持てますよ?」

キリンビールさん「やりましょう。」

かなり乱暴にまとめましたが、ざっくりこんな感じなのかなと。

ちょっと真面目に背景を見ていくと、

まず、ヤッホーさん

クラフトビールブールの追い風、水曜日のネコ発売により販売好調、販路拡張により売上増加しています。

クラフトビール取り扱う飲食店の増加と共に、コンビニやスーパーでも缶を取り扱うお店、日々増えてきています。

ローソンとのコラボレーションビールが10月から開始されるのが決定、9月よりローソンでの取り扱いが3種類➡5種類になり更なる増産が必要となりました。

ちなみにローソン酒販店は10,522店舗だそうです。

出典:http://www.lawson.co.jp/company/news/094691/

増産のためには少なくとも既存の生産設備の増強、出来れば流通の事も考慮して西日本に新工場を建設したい、と考えていたたかもしれません。

なので、親会社である星野リゾート(ヤッホーさんは星野リゾートさんの100%子会社)さんへ資金の融通を相談へ。

次に、星野リゾートさん

「星のや」「リゾナーレ」等を運営されているリゾート運営会社です。

特に「星のや」は高級宿泊施設として有名です。

社長さんがエールビールを作りたいという事でヤッホーさんを設立したのは1996年です。

出典:http://nikkan-spa.jp/717813

リゾートの運営に特化する事業モデルを構築しており、出来る限り宿泊施設という「モノ」を持たない会社運営をしています。

日本で初めてホテル特化型のREITを作り(2013年7月12日)、そのスポンサーとなって保有していた宿泊施設をREITへ売却、運営を受託するスキームを構築しています。

2015年にはバリ&富士、2016年には東京大手町に「星のや」を開業予定です。今後も自社保有の宿泊施設はREITへ適時売却、運営を受託するスキームになると思われます。

出典:http://www.hoshinoresorts-reit.com/index.html

REITスキームによって身軽になった財務、政策の訪日観光客の増加(2020年までに2,000万人)、2020年の東京オリンピックという流れの中、

財務状況・事業領域の選択&集中を検討した場合、「星のや」の新規開業への投資はあってもヤッホーさんへの億単位の資金融通は選択しにくい状況であり、

シナジーがある先との事業提携・資本提携先探しになったと思われます。

最後に、キリンンビールさん

2014年上半期の出荷量が前年同月比6.6%減少でした。

これに対してアサヒビールさんはビール類の課税出荷数量(工場出荷数量)を13年ぶりに前年同月比でプラス、連結売上高と営業利益は上半期の過去最高を更新する見込み。

サントリーさんとサッポロさんもビール類の課税出荷数量をプラスで折り返したとの事。

キリンビールさんのみ前年割れとなったようです。

要因は、キリンビールさんは販売数量に占める発泡酒・第3のビールの割合は65%(アサヒビールさんは35%)&その9割以上が家飲み需要。

消費税増税後の駆け込み需要の反動で他社と比較して大幅に落ち込んだようです。

ちなみにビール類とはビール&発泡酒&第3のビールの総称のようです。

出典:http://toyokeizai.net/articles/-/43499

8月に発表した「スプリングバレーブルワリー」は2015年に子会社設立ですから本格的に売上や工場出荷などの数字に反映されるのは早くても2016年以降です。

2014年は残り3ヶ月ですからしょうがないとして、

2015年の数字に反映できる仕込みをしていかなければと考えた場合、

ヤッホーさんは事業クラフトビール事業への展開)としても数字(課税出荷数量、収益)としても貢献度が高い投資案件と判断したと思われます。

(ただし、課税出荷数量(工場出荷数量)が出資比率に応じて計上できる場合です。詳しい方いらしたら教えてほしいです。また、ヤッホーさんが黒字の場合に持分法適用で収益貢献できることになります。)

現状みる限り、3社が各々メリットのある事業連携・資本提携になっていると思います。

今後ですが、2014年中に西日本辺りに委託生産する工場の選定&体制構築、販路の擦り合わせ&共有が行われるのではないでしょうか。

 

このニュースは面白いので、視点変えてまた書きたいと思います。

 

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